武士道セブンティーン!!



後ろからかかった低い声に、気付いてなかったあたしは過剰に肩を揺らしてしまった。



「うわ、永倉さんだ」


「うわ、ってなんだよ」



月明かりで顔に影を作った永倉は、
顔をしかめるとあたしにちょっと距離を開けて隣に座った。




「何で座ってるんですか。寝れば?」


「眠くねぇんだよ」


「嘘だー。昨日も今日も夜の巡察のくせに、眠くないわけないじゃないですかー」


「うるっせぇな。昼間にたらふく寝たからいいんだよ」


「…………ぷ」



やたら強気で〝眠くねぇ宣言〟をしてくる永倉。

多分、気を遣われてるんだろうな、これ。


不器用か。




「……んだよ?」


「ふ、………ふふ。別に」


「…………」


永倉がほんのりと頬を赤らめながら、唇を歪めて眉をひそめた。

その顔にますます笑える。


< 322 / 337 >

この作品をシェア

pagetop