武士道セブンティーン!!
後ろからかかった低い声に、気付いてなかったあたしは過剰に肩を揺らしてしまった。
「うわ、永倉さんだ」
「うわ、ってなんだよ」
月明かりで顔に影を作った永倉は、
顔をしかめるとあたしにちょっと距離を開けて隣に座った。
「何で座ってるんですか。寝れば?」
「眠くねぇんだよ」
「嘘だー。昨日も今日も夜の巡察のくせに、眠くないわけないじゃないですかー」
「うるっせぇな。昼間にたらふく寝たからいいんだよ」
「…………ぷ」
やたら強気で〝眠くねぇ宣言〟をしてくる永倉。
多分、気を遣われてるんだろうな、これ。
不器用か。
「……んだよ?」
「ふ、………ふふ。別に」
「…………」
永倉がほんのりと頬を赤らめながら、唇を歪めて眉をひそめた。
その顔にますます笑える。