武士道セブンティーン!!
その顔を横目に見て、また正面を向いて。
ふぅと息をついた。
「…………あたしのこの目はねぇ、治療すれば治るんですよ」
「え、何いきなり語りだそうとしてんだ」
「そういう流れだったじゃないですか」
「そういうつもりじゃなかったんだが」
「ごちゃごちゃうるさいですよ。別に永倉さんに話してるわけじゃないんで。
独り言です」
「デッケー独り言だな…………」
こんなこと言いながらも、静かになった永倉はどうやら話を聞いてくれるようだ。
何だかんだ言って、お人好しなんだよなぁ。
不器用か。
「白内障っていうのは、基本的に老人がなりやすい病気なんですよ」
「お前じいさんだもんな。中身が」
「シバきますよ」
せめてばあさんにしろ。
「でも、ごく稀に生まれつきそれを患っている子供ってのがいるんです。
それがあたし」
「…………」
「先天性の白内障で、生まれた時から欠点があった。
あたし、小さい頃はすごく引っ込み思案だったんですよ」
「意外だな」
「自分でも信じられないって思いますもん。
ずっと眼帯してて、昔は周りと違う自分が嫌で、人の目が怖くて仕方がなかった。
臆病だったんです」