武士道セブンティーン!!



俯いて笑っていたら、急に肩をガシッと掴まれた。

いきなり過ぎて驚いて、思わず肩が跳ねた。



「な、何すかいきなり…………」



目を見開いて振り向くと、あたしの肩を掴んだ永倉は、あたしより目を見開いてこっちを見ていた。

多分真剣な表情なんだろうけど、目が飛び出ててめっちゃ怖い。何なのホントにいきなり。


あたしのビビリように、今度は眉間にシワを寄せた永倉はあたしを睨みながら言った。




「………気持ち悪くなんかねぇよ。綺麗な目だ」

「…………は?」


「濁りがなくて、真っ直ぐこっちを見てて、目をそらさない。 気の強いお前らしい目だよ。
〝気持ち悪い〟なんて、そんな明らかに悪意の込められた言葉で、お前が傷付く必要なんて微塵もねぇよ。
いつもみたいに、胸張ってツンとしてろよ。
何か言われたら倍の毒舌で言い返してやれ。
それがお前だろ 」


「…………」



………隙間を空けて座ってたのに、その間はいつの間にか無くなってた。

至近距離で見つめ合ってるから、だと思うけど。

何故か目を離せなかった。


確か、前の時もそうだった。

永倉の目は、一度目が合うと目が逸らせなくなる。
何だか、不思議と引き込まれるんだ。


あたしのことを、真っ直ぐで目を逸らさないなんていうけど、
それはきっと永倉の方がそうだ。


永倉は嘘をつかない。
目を見たら分かる。
いつでも全力で、本気。


だからこんなことも話せてしまったのかもしれない。

目のことなんて、今で誰にも話したことなかったのに。


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