武士道セブンティーン!!
開いて見ると、刀を強く握りしめた手は見事にざっくり切れ、赤い赤い血が手首を伝い肘から滴り落ちた。
顔を思わずしかめる。
痛いことは痛いが、切れ味のいい刃なのか、逆にすっぱりキレイに切れてダメージが少なかったみたいだ。充分痛いけど。
「………血まみれ」
滴った血がカッターシャツや畳に水玉模様を描いた。
「何やってんだ」
土方が血の溢れる手のひらを押さえるあたしの手首を強引に掴んだ。
近くにあった多分酒(何でだ)を、遠慮なく傷口にぶっかけた。
「ぅぐっ!……ちょっと、いきなり何すんですか」
「うるせぇな。化膿したらどうすんだ」
土方は袂から取り出した手拭いを切り裂き、傷口を丁寧に拭った。
「総司。そこの棚から軟膏取ってくれ」
「はーい」
沖田がにこにこ笑いながら棚を開いて取り出した軟膏を放り投げた。
土方は軟膏を傷口に塗ると、手拭いをきつく手に巻き付けた。
「いっ……」
「我慢しろ」
テメェのせいだろ。
自分から握りしめた事を棚に上げ、あたしは刀を向けた土方に心で毒づいた。
やがてたどたどしい手つきで巻き終えた土方はあたしの手を突き放した。乱暴な奴だ。
巻き付けすぎて手がドラえもんのようになっている。しかも………。
「……ヘッタクソ」