武士道セブンティーン!!
またあの猫を見かけた。
今度は近付かず、遠目にあたしを見ていた。
また練習に没頭し過ぎたせいで、日は暮れていた。
夜に見る黒猫は少し……薄気味悪い。
しかし……あのくりくりの目を見ると、不思議とそんな気持ちも薄れていった。
「……何……?」
黒猫はあたしの足に体を擦り寄せると、尻尾を振りながらゆっくり歩いていく。
「……」
いやまぁ、気になっちゃいますよね、フツウ。
素直に着いて行っちゃった訳ですよ。
何だか、おかしなぐらいボンヤリしていて……。
周りが見えてなかったんだね、きっと。
気付いた時には━━━……。
「……っ!」
眩しい光が目の端に捉えられた。
あたしと同じく飛び出した、呑気に道路のど真ん中に座る黒猫を抱き上げて。
真っ白なライトに包まれながら━━
(ヤバ……)
引かれる、と思いギュッと目をつむり身体を強張らせた。