武士道セブンティーン!!
「……死にたくなけりゃあ、大人しく俺らの人質になって貰おうか」
眼前で厭らしく笑う男を、真っ正面からお得意の無表情で見据えた。
「そうね」
憂いを込めたように、あたしは睫毛を伏せた。
ニタリと歪む男の口許。
「そうかい。物分かりのいい嬢ちゃんだ……」
パシッ
「生憎だけど、アンタらの人質になるなんて
まっぴら御免だね」
髪を掴む手を強く握り、歯を食い縛って頭突きをかました。
鈍い音と共に、男が呻いて、髪から手を離れる。
強烈な痛みに、男と同じように無様に足元がよろめくが、
痛みを堪えるのには皮肉にも慣れている。
身を屈めて、素早く男の脇を通り抜けると、反転しながら畳に転がった竹刀を袋から引き抜く。
竹刀でも、無いよりマシだ。