二重人格神様~金と碧の王~
いきなり、現れて押し倒されたら僕に構わず殴っていいからと、言われたけれど
私にそんなことが出来るわけがない。だから、そんなことが起きないことを願うばかりだけど、最近、それは無駄な心配だったのかなって思う毎日を私は過ごしていた。
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「はい、出来たよ。グレン君」
そして、それからまた数日後、その日はグレン君に頼まれ伸びた前髪を断髪していた。
「ありがとう!いのり!」
切った前髪を鏡で確認しながら、微笑むグレン君を前に私はハサミを片付ける。
グレン君は、相当、短い前髪が気に入ったらしい。目に髪が入らなくて、楽だと言われた。
最初は、そのオッドアイを晒すことも拒否していたのに、大きく成長したものだ。
自分の子供ではないけれど、まるで自分の子供の成長を喜ぶ気分は、こんな感じなのかもしれない。
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