二重人格神様~金と碧の王~



フェイランさんが怒る姿は私はあまりみないけれど、たまに見ると怖いんだよね。


「ごめんなさい、フェイランさん」


「え?」

グレン君の手をはなし、そっと彼の頭を撫でる。


「その、髪を切っていたら、時間が掛かったんです。私のせいでもありますから、今日は許してあげて下さい」


私が謝れば、まだ、フェイランさんは怒らないだろう。

案の定、頭を下げる私にフェイランさんは少し動揺し、ゴホンとせきばらいをする。


「こ、小鳥ちゃん…やめて」


「でも」

「分かったわ!今日は特別にゆるすわ。だから、頭を上げて」


本当に?良かった!


安心し、頭をあげるとフェイランさんはため息をはいた。


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