二重人格神様~金と碧の王~
第2章
走り出した恋心
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「へぇ、で、グレンにときめいた、と」
「い、いや。そういう意味では…」
その日の夜、グレンさんにあった事をベッドに座り込みながら報告すれば、海鈴さんは少し不機嫌な顔でそう言った。
「そういう意味にしか聞こえない。一応、あれも僕だけれど、なんか妬ける」
額を軽く叩かれ、そのまま私に背中を向ける海鈴さん。
「妬けるって、ふ、不意討ちでしたから、つい、嬉しかったってだけですよ!今まで、乱暴ことばかりだったから…」
海鈴さんの前に回り込み、その表情を伺いながら言えば、そのまま微笑まれ大きな手が頭に触れた。
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