二重人格神様~金と碧の王~
「ねぇ…フェイランさん。この、キスマーク…もう少し、なんとかならない?」
「無理よ。これ以上は。盛ってた自分達を恨みなさい」
その日、私は以前話を聞かされた夜会にさんか参加するため、フェイランさんにいつもより派手な服を着させられていた。
いつもの、人間界の服とは違い、薄いクリーム色のAラインドレス。腰にある、碧のリボン。
結婚式に出席するような、派手でもなく、地味でもないドレスに髪をしっかりとセットされた。
問題はその髪のセット。キスマークが見えるから結びたくないと我が儘を言う私を完璧に無視し、耳上のポニーテール。
化粧で隠してもらったが、まじまじと見ればわかってしまう。
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