二重人格神様~金と碧の王~
そんな私の横で、海鈴さんはうなずく。
「うん。珍しい、呉羽が出迎えなんて」
「まぁ、ね。お前の花嫁に会えるの楽しみにしていたよ」
その言葉に、海鈴さんは私を背中に隠し、そのまま呉羽さんを睨む。
「呉羽、言っておくけど、今夜はいのりに近づくのやめてもらうから」
「えー、冷たいことを言うなよ」
「ふざけるな。この前のこと、僕はねにもってるんだなら」
「え?なんのこと?」
「とぼけるな」
それは、この前、呉羽さんとの出来事。海鈴さん、気にしていたの?
すっかりそんなこと、忘れていた。
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