二重人格神様~金と碧の王~



もしや、海鈴さんがなかなか夜会について話してくれなかった理由にこの事もあったのかもしれない。


「わかったよ。そんな睨むなって、今日は楽しい夜会なんだ。変なことはしない。それより、みんな来てるから海鈴も早く行けよ」


「あぁ、いこう。いのり」


優しく手を握り、呉羽さんの横を通ると彼はニコニコしながら手を振られ軽く振って返すとそのまま何処かに歩き出してしまった。


「いいんですか?あんな言いかたして」


「かまわない。どうせ呉羽のことだから、気にはしないだろうし」

「そう、ですか」

「それより、見て。これが僕ら、神の集まりだよ」


「え?…あ、わっ」



階段を登りきり、夜会の会場である大広間の入口を潜ると、またもや衝撃をうけた。


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