二重人格神様~金と碧の王~
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その日の数時間後の夜、ある部屋のドアが勢いよくあき、部屋にいたフェイランが目を見開きながら、その人物をみる。
同時にその瞳が細められ、ムッとした顔でフェイランが言う。
「ちょっと、夜なんだから、もう少し静かにしめなさいよ。あ、てか、小鳥ちゃんは見つかったの?」
「…」
そう、言うフェイランに何も答えない男にフェイランはまゆを潜めた。
「もしかして、グレン様?」
それにも、答えないグレン。
「なに、その顔。偉く不機嫌ね。あ、それで、小鳥ちゃんはどうなったの?見てたでしょ?海鈴様ごしで」
「みてない、あんな女、置いてきたからな」
「…は?」
持っていたペンをボトッとおとし、フェイランは唖然とする。
「おいてきた!?ちょ、まさか、あなた!小鳥ちゃんに自分のこと晒したわけじゃないでしょうね!!」
グレンに近付き、問い詰めるとグレンはまようことなく頷く。
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