二重人格神様~金と碧の王~


***



その日の数時間後の夜、ある部屋のドアが勢いよくあき、部屋にいたフェイランが目を見開きながら、その人物をみる。


同時にその瞳が細められ、ムッとした顔でフェイランが言う。


「ちょっと、夜なんだから、もう少し静かにしめなさいよ。あ、てか、小鳥ちゃんは見つかったの?」


「…」

そう、言うフェイランに何も答えない男にフェイランはまゆを潜めた。

「もしかして、グレン様?」


それにも、答えないグレン。

「なに、その顔。偉く不機嫌ね。あ、それで、小鳥ちゃんはどうなったの?見てたでしょ?海鈴様ごしで」

「みてない、あんな女、置いてきたからな」

「…は?」


持っていたペンをボトッとおとし、フェイランは唖然とする。

「おいてきた!?ちょ、まさか、あなた!小鳥ちゃんに自分のこと晒したわけじゃないでしょうね!!」


グレンに近付き、問い詰めるとグレンはまようことなく頷く。


< 18 / 513 >

この作品をシェア

pagetop