二重人格神様~金と碧の王~
「ありがとう。けど、気を使わないで。少し休むといい」
頭を軽くなで、椅子から立ち上がる。
「海鈴さん?」
「少し、席を外すよ。いのりは、外で休んできな?僕といなければ人間に自ら話しかける神はいないから。いたとしても、王の身内だから、危険ではない」
「え…でも」
「いいから。ほら、風邪引かないように」
そっと、海鈴さんは自分の羽織をぬぎ、私の肩にかけ、沢山神様がいるなか、チュと頭にキスを落とし数回なでると「じゃあ、また」
そう、呟き、賑やかな会場に紛れ込み姿を消した。
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