二重人格神様~金と碧の王~



「ありがとう。けど、気を使わないで。少し休むといい」


頭を軽くなで、椅子から立ち上がる。


「海鈴さん?」

「少し、席を外すよ。いのりは、外で休んできな?僕といなければ人間に自ら話しかける神はいないから。いたとしても、王の身内だから、危険ではない」


「え…でも」


「いいから。ほら、風邪引かないように」


そっと、海鈴さんは自分の羽織をぬぎ、私の肩にかけ、沢山神様がいるなか、チュと頭にキスを落とし数回なでると「じゃあ、また」


そう、呟き、賑やかな会場に紛れ込み姿を消した。






< 188 / 513 >

この作品をシェア

pagetop