二重人格神様~金と碧の王~
もう、海鈴さんってば。
キスをされた場所があつく、そこを押さえながら私も立ち上がり急いで賑やかな会場を出た。
会場を出れば少し冷たい風がふきぬける。月は相変わらず美しく輝いていて、それを眺めながら階段をおり、踊り場にある白い椅子に腰をおろす。
少し離れた場所には、所々、二人組の影が重なっていた。
人間界にいたころなら、あんなところで!とか、はしたない!なんて思うが、自分も海鈴さんとした覚えがあるから、何も言えず、視界に入らないように背中を向け月を見上げる。
・