二重人格神様~金と碧の王~
川の字になって、空をみあげた満月は綺麗だった。
この月のほうが大きいけれど、綺麗なのは三人で見た月。
もう、三人で見ることは出来ないけれどあの月は忘れない。絶対に。
なんて、気分転換にここに来たのに、昔のこと考えて悲観的になっているんだろう。
やめよう。考えるのは。
「…ふぅっ」
そう思い、膝を抱えながら顔を伏せゆっくりと瞼を閉じると、なんだか少し眠くなってきた。
こんな場所で眠ってはいけない。そう思いつつも睡魔には勝てなく少しだけ瞼を閉じると「いのりさん?」と名前を呼ばれた。
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