二重人格神様~金と碧の王~
「あの…海鈴さん」
「ん?」
海鈴さんの名前を読んでも、その穏やかに私を見つめる瞳。ブルーの透き通った瞳。
やっぱり、海鈴さんだよね。
「いえ、何でも、ないです」
「そう、ところでさ、少し気になってたんだけど、手首、怪我でもした?」
手首に巻かれた包帯をみるなり、海鈴さんは首を傾げた。
この包帯は、跡を見られないため。あの手錠のせいで、手首は真っ赤になり、アザになってしまった。それを、見られたくなく、アレスに頼み包帯をしている。
「これは、その、ちょっと、切っただけだすよ」
海鈴さんは、やはり、この包帯の意味がわからないんだ。そうなると…やっぱりって思う。
・