二重人格神様~金と碧の王~
「手を繋げだと!?そんな恥ずかしいこと誰がするか!!自力であるけ!」
「…う」
プイッと顔をそらし、そのまま階段を昇るグレンさん。
そ、そんなに怒らなくても…
少し優しくされたから、大丈夫かなと言ってみたけれど、駄目だったみたい。
「ごめんな、さい…」
仕方がない。一人で歩くしかない。
塀に手をあて、立ち上がり彼のあとを追おうとした瞬間
「…あ」
視界がゆがみ、その場でついしゃがみこむ。
どうしよう、また吐き気が…
こんな状況で一人で歩けるわけがない。
海鈴さんなら、私が言わずとも手を貸してくれるのに…
グレンさんが嫌とは言わない。だって、いつもよりは優しいから
けれど、やはり…こういう時に傍にいてほしいのは…海鈴さん…
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