二重人格神様~金と碧の王~
「切った、か。そう」
納得出来てないんだろう、曖昧な返事を返され、私は敢えてそれを無視して御飯を食べようとすると、海鈴さんは突然、立ち上がり、私の背後に回ると、そのまま首に手を回され抱かれた。
「海鈴さん?」
「かなしいな、切ったんじゃないだろう?教えてくれないのかい?」
「あ…あの、アレスが見てますから…」
チラリとドアに控えるアレスをみると、気まずそうに顔をそらし、それをみた海鈴さんが顎で促すとアレスは部屋を出て行った。
「これで、見てない。それで、教えてくれないかな?」
「で、でも」
これは、海鈴さんには説明しにくい。それに、話したらどんな反応をするのかな。
話してはいけない、そんな気がする。なにより
、何もしらない海鈴さんの口から、あの彼の事を聞くまでは言いたくない。