二重人格神様~金と碧の王~
その手の感覚に思わず視線を反らすと、グレンさんはそのまま言う。
「いや、もう、熱がある。まだ吐き気はするか?人間はか弱いな。仕方がない、水を持ってくる。ついでに人間の薬があった貰って来るから、お前はそこで寝ていろ」
額から手をはなし、部屋を出て行こうとする。
「あ」
突然離れた額の感触が、不思議なことにとてつもない寂しさを生んだ。
離してほしくなかった、もっと、その手を感じていたくて…
「…待って…」
そのまま、彼の服の袖口を弱い力で掴むと、その綺麗な瞳が驚いたように私をみつめた。
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