二重人格神様~金と碧の王~
寝起きのせか、目を細め少し眠そうに目の前の私を見つめる。
なにを言われるんだろうか。「やっと目を覚ましたのか。馬鹿女!」なんて言われてしまいそうだ。
ごくりと息を呑み、少しかまえると、グレンさんはベッドに頬杖をつき私を見上げた。
「起きたか...体調は?」
「…え?」
予想外の台詞。海鈴さん並に優しい口調に一瞬、海鈴さんかと思うほど。
「あ。はい…」
動揺してしまった気持ちを隠すように胸元の服を握る。
「まだ、少し…身体が重いですけど、楽になりました」
「そうか」
頬杖をやめると、グレンさんは立ち上がりそのままベッドに座った。そのまま、手をのばし頬に手をそえる。
すこし、ひんやりとした温度。なんか、気持ちいい。
全く抵抗しない私に、グレンさんはホッとしたような、らしくない顔をする。
「夜中、やっぱり熱だしたんだよ。下がったみたいだな」