二重人格神様~金と碧の王~


盛られた?確か、気分が悪くなった時に、そのようなことを言われた気がする。


朦朧としていたから、聞き流したけれど…本当に盛られたの?


だとしたら、あの飲み物だ。


あれは、ルーテルさんが用意してくれたものだから。


少し正気に戻り、冷静に考えるともの凄く怖い。


「お前、そうとうルーテルに嫌われてるんだな」

 
「え?」

頭をあげると、グレンさんは薄笑いを浮かべた。


「あの女、海鈴に対して異常な愛情を持っているからな。従者も従者で曲がった奴がいる。規則を破り無断で人間界に行ったりと。俺からも言うが注意しろよ」


「あ…は…はい…」


素直に頷きすぎただろうか。グレンさんはまたもやギョッと顔を潜めた。


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