二重人格神様~金と碧の王~

美しい金色には変わらない。けれど、どこか私を見つめるときの海鈴さんと同じだ。


優しくて、瞳から思いが伝わるような…瞳。

「あの、グレンさん…」


何の思いかはわからない。けれども、その湧き上がる感情を覗きみるように見ていると、そっと、グレンさんの手が私の頬を包んだ。


そのままお互い自然と目を閉じ、静かに、一瞬だけ、唇が重なった。


「また、目を閉じる…」


「えっ、また...あっ」


また、その言葉に呉羽さんの屋敷でのキスが蘇る。

気持ちわるかったのに、思いだせば思いだすほど鮮明に蘇る。

あの、優しいキス。グレンさんの熱。


頬が一気に熱をおび、顔をそらそうとすると、それをさせまいとグレンさんが顎をつかむ。


もう、手遅れ。彼からは逃げられない。

「ぐ……れ、んっ」

今度は、とても情熱的なキスが私を襲った。

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