二重人格神様~金と碧の王~


「ずるいよ。僕だって仲良いのに、お兄様ばかり仲が良いって皆言うんだもん」


頬を膨らませ抱きついて来たグレンくんの頭を撫でると嬉しそうに身体をくすぶらせた。


「そうだね。グレンくんとも仲良しだよ」


「当たり前だよ!」



そう満面の笑みで、微笑むと同時に突然ドアがたたかれる。ドアに視線を向ければそこにはフェイランさんの姿。


「あ、ファイランさん…」


「どうも。調子はどう?ってか、グレン様…姿がないと思えばここにいたのね」


部屋の中にはいり、私に抱きつくグレンさんの姿に大きくため息をはく。


「あ、ごめんなさい。いのりが心配だったんだ」


「もう。ほら、離れなさい。一応、まだ病人なんだから」



手招きをするフェイランさんに渋々わたしから離れ、不満げに頬を膨らます。


そんな彼に苦笑いをすればフェイランさんの視線が私に向けられる。


「で、体調はどう?海鈴様から熱は下がったから大丈夫って聞かされて来たんだけど…」


「はい。熱はないです。まだ、身体は少し重いですけど…平気ですよ」


「それなら、良かった。食事は?なにか軽食でも持って来ましょうか?」


軽食か…あまり、食欲はないんだよね…。悪いと思いながらも、首を横に振る。



「いえ…まだ、いいです。あの、お気遣いありがとうございます」



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