二重人格神様~金と碧の王~
頭を下げれば「わかった」といわれそのままフェイランさんはグレンくんの頭に手をおく。
「じゃあ、グレン様はお部屋に戻りなさい。今日はアレスとお勉強でしょ?わたしは、彼女とこれから大切な話があるの」
大切なはなし?なんだろう…
首をかしげ二人を交互に見つめていると、グレンくんはまたも不満そうに頷く。
「う、うん…わかった」
「あ、グレンくん、ごめんね。あの、また部屋に来てね。その時は沢山お話しよう?」
「うん!!じゃあね!いのり」
やっぱりグレンくんは笑いたほうが可愛い。そう思い、部屋を出ていく彼を見送るとフェイランさんはベッドに腰を下ろし、脚を組む。
ベッドが少し少し沈み、黙ったまま。何を言われるのだろう、と、彼を伺えば腕を組み、わたしを見る。
「…フェイランさん?」
「ああ、うん」
少し様子が可笑しいみたいだ。そんなに改まる話なのかな。
「あの、お話って、なんですか?」
耐え切れずに問えば、彼は少し言いにくそうに言う。
「うん。あのね、実は彼女のことなんだけど…」
「彼女?」
「そう。ほら、昨日のこと」
あぁ、もしかしてルーテルさんのことかな。
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