二重人格神様~金と碧の王~


「はい…」

「グレン様から、聞いているでしょ?盛られたかもしれないって」


それは、聞いた。調べさせているとも。あ、もしかして…


「あの、もしや、もう分かったんですか?」


「えぇ。グレン様の予想通りだったわ。あれはね、天界にしかない植物から作ったものなの。無色だし味もない。だから、気づかなかったのね」


そうだったんだ…。



「あの、どういうクスリだったんですか?その…死んじゃう物、だったんでしょうか」



「いーえ。あれは…そうね、睡眠薬みたいなものよ。私たちの世界のね。けど、人間である小鳥ちゃんにしたら、毒も同然。強い薬だから私達には眠気しかないけれど、人間は頭痛に吐き気、高熱がでるの」



確かに言われてみれ、その症状が出た。と、言うことはやっぱり盛られたんだね、ルーテルさんに…結構、強引に進めていたもんね。




ルーテルさんの事、気をつけろとは言われていたけれど、どこかでは少し信じていたんだけどな…。



ベッドに座ったまま脚をかかえ、フェイランさんの言葉に耳を傾ける。


「もう、何回も注意したのに。誰かを信じすぎるからこうなるのよ」



「ご、ごめんなさい。みんなに迷惑をかけてしまって」


「全くよ。ここまで来ると、本格的に彼女を処罰しないといけなくなるわ」


「しょば、つ?」



「当たり前じゃない。あなたは海鈴様の正式な花嫁なのよ?それに手を上げることは反逆者も当然。近いうちに、なにかあるでしょう。最悪の場合は天界から追放ね」



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