二重人格神様~金と碧の王~


そん、な…。とんでもない話に何故か私から冷や汗が流れる。視線をさ迷わせ、振るえながら言う。


「あの、油断した私も悪いんです。ルーテルさんだけが悪いわけじゃないです。だから、その…追放とか、そういうのは…しないで、ください」


「は?何をいっているわけ?」


偽善者ぶっているって思われるかもしれない。でも、そういうのは違う気はする。きちんとルーテルさんと向き合わないと何も解決しない。


それに、彼女があのような事をするのは、海鈴さんを好きだから…私はあとから来て、彼を横取りしたんだもん。



「それは、その…」


「同情ならしないほうがいいわ。次は命を落とすかもしれない。小鳥ちゃんがそんな事になったら、海鈴様は許さない。正式な花嫁になった自覚を持ってちょうだい」


「…で、でも…生まれ育った場所を追放されるなんて、あんまりです」


「だから、それは……はぁ、もういいわ」


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