二重人格神様~金と碧の王~
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それから、わたしはベッドに横になった。
窓から入ってくる風と静かな空気。そして、少しの気だるさに促され気づけば眠りについていた。
眠りの中で、わたしはまた夢をみる。
『いのり』
その夢はいつもの夢と違い、お父さんとの夢だった。
『お父さん、また...仕事に行っちゃうの?』
お母さんが亡くなって、何回目の誕生日だったかな。
わたしの誕生日だからと、お父さんは久しぶりに早くに帰ってきた。
その日、お父さんと会ったのは一週間ぶりだったけ。
右手に買い物袋、左手には2人で食べるには大きすぎるケーキをぶら下げて帰ってきてくれたんだ。
ドアを開けるなり、満面の笑みで私の名前を呼んでくれた。
『今日は、いのりの誕生日だ。父さん、頑張ってご馳走を作るからな』
頭がいいお父さんなのに、料理は少し下手。
具がはみ出たサンドイッチに焼け焦げたローストチキン。
味が薄い唐揚げ、少し塩っぱいコーンスープ。
美味しいとはいいがたい料理だけど、お父さんの気持ちは嬉しかったのを覚えてる。
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