二重人格神様~金と碧の王~



「あ、いのり様。お目覚めになりましたか」


「あ、アレス」

「ご気分の方はいかがですか?」

大丈夫だよ。と、返せばホッとしたようにアレスが良かったと、微笑む。


「あの、アレス、もしかしてずっとここにいたの?」


「いえ。昼頃にフェイラン様から言われてからですけど、なにかありましたか?」



海鈴さんのことを聞いてみようかと思ったけれど、それを押しとどめ首を左右に振った。




「そうですか。そうだ、フェイラン様がいのり様が目を覚ましたら軽食を食べさせるように言われています。えっと、お持ちしましょうか?それとも、いつもの場所に行かれますか?」


そっか、わたし後で食べるとフェイランさんと約束したんだった。


眠って楽になったし、少しお腹空いたかも。

「わかりました。せっかくだから、行こうかな」


「承知しました。では、参りましょう」


アレスに促され部屋を出て歩く。


海鈴さんに会いにいくのは、ご飯を食べてからにしよう。






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