二重人格神様~金と碧の王~
気まずいながらも、彼に近寄り私も腰を下ろす。なにを言おうか。
そう考えていた時、グレンさんが呟いた。
「具合」
「…え?」
「具合」
「あ…えっ?」
意味の分からない呟きに聞き返せば、グレンさんは私の方に身体をむけ声を張り上げた。
「だから!具合はいいのかって、聞いてるんだよ!」
「あ、は、はい!…だ、大丈夫、です」
「…あっそ」
グレンさん、また心配してくれてる?不器用な聞き方だけれど、まだ気にしてくれてるんだ。
「ありがとう、ございます」
俯き、嬉しさで緩んでくる頬を隠すと、グレンさんは不審な顔で私の顔を覗き込む。
「なに、ニヤニヤしてる」
「あ、いえ…なんでもないです…あまり、見ないでください」
手で顔を隠すもの、伸びて来た手に腕を掴まれ、視線が重なった。
「あ」
金色の瞳に私が見えた時、また、あのキスを思いでしてしまう。頬が一瞬で赤く染まり慌てて逸らす。
ま、また…なに思いだしてるの!
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