二重人格神様~金と碧の王~


そんなこと、言わないで欲しい。

また、だなんて。恥ずかしくて、思わず左右に首を振れば彼の唇が耳元を掠める。


「こっち、向けよ。顔と身体は、お前が大好きな海鈴だ。昨日から会えてなくて、淋しいんだよな?さっきの態度のこともあるし」


「意地悪、言わないでくださいっ。あ、会いたいに決まってるじゃないですか...色々話したいこともあるし、昼間のお礼だって...」


「昼間の、御礼?」


不意に、身体に触れていた手を離しグレンさんは顔をしかめる。

布団から顔をだし、私は頷いた。


「は、はい。なんか、海鈴さんに戻った時に、そばにいてくれたみたいだったので...」


って、裏のグレンさんに何を言っているんだろう。


チラリと彼の様子を伺うと、グレンさんは私を不機嫌な顔で見下ろしていた。


「え?」


私と視線が絡むと、直ぐに逸らしチッと舌を鳴らす。


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