二重人格神様~金と碧の王~



「え?」


「お前、やっぱりムカつく女だな」


そう呟くなり、布団を引っ張りそのまま先ほどのわたしのように布団を被る。


突然の行動に、瞬き繰り返し彼の様子を伺う。

話もしない、身動きすらしないグレンさん。


わたし、なにかいけないこと言った?



全く身に覚えがない。なんで、いきなり不機嫌になったんだろう。

以前から、わたしに対して怒ることや威嚇するような事は多々あった。


その時とは違う怒り方に、どうすればいいのかわからない。


「あの、わたし何かいけない事でもいいましたか?」


私の問いグレンさんは答えない。


起き上がり、彼に近寄り身体を揺するとその手は彼によって振り払われる。


そんな...


なんだか、無性に悲しくなった。前なら冷たくされても悲しくなんてならなかったのに。

「グレンさん...」

諦めずに彼の身体を揺すれば、その手はまた振り払われてしまう。



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