二重人格神様~金と碧の王~
触るなと言われているようで、胸がいたい。
そう、だよね。わたしはこの数日でグレンさんと近付けたって勘違いしたいたのかも。
だって、もともとこんな風に同じ空間にいる仲ではなかった。
夜会がきっかけで、こうなったわけで...。でも、なんでだろう。何故か涙がこぼれる。
何回も冷たくされたはずなのに、今日はいつも以上に痛い。
ポタポタと涙がベッドに落ちシーツに染みていく。
その涙を手で乱暴に拭おうとすると、それより先に伸びてきた手が私の涙をすくう。
えっ?
優しい、控えめな手にその主を見れば、相変わらずの不機嫌な顔のグレンさん。
唖然と固まる私の涙を拭き取り、ため息をはき口元をしめた。
「泣くなよ。俺が泣かしたみたいだろ」
「な、泣かしたのは、無視したグレンさんです!」
って、こんな会話前にもした覚えがある。
グレンさんも同じことを思ったのだろう。引き締めた口元を緩めフッと微笑む。
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