二重人格神様~金と碧の王~




「まぁ、お役に立てて光栄です」


重なった本の束を持ち上げ棚にしまっていく。同調するように私も本を棚に戻す。


「でしょう?この場所、実は入れる者は限られているの。貴重な歴史書物もあるから、王と私に、アレスとか
…そのぐらい」


「そう、なんですか?」


「そうよ。グレン様って、小さいほうね?彼もだめなの」


そうなのか。そんな器用な場所に人間の私が入ってもいいの?そんな疑問を察したように彼は「あぁ」と呟き本を抱えたまま本棚に寄りかかる。



「貴女は特別よ。だって、花嫁なんだもん?」


「な、なるほど」


「なるほどよ。まっ、それだけじゃなくて、まだ字が読めないから大丈夫って安心感もあるけれど」


棚に寄りかかったまま私に顔だけ向ける。



確かに読めない。一応、習ってはいるが、見た感じなんとなくわかる程度。


「すみません…もっと勉強します」


「別にいいわよ。だって、それを分かって花嫁にしたんだもの。貴女がやることは、字より別のこと」


「…はい?」


別のこと?そう首を傾げると、フェイランさんは平然と答える。



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