二重人格神様~金と碧の王~
「なに、悠長な顔をしているのよ。跡継ぎに決まっているでしょ?」
「あぁ、なるほど…って、ええっ!?」
ばさばさと本の束を床に落とすと、フェイランさんは顔をしかめそれを拾う。
「なに動揺してるのよ」
「あ、す、すみません…」
「そういう事、沢山してるくせに」
指で肘をつつかれ思わず顔が真っ赤に染めあがった。なにも言えない…
黙りこむ私に彼は更にいじわるな微笑みを浮かべる。
「そうだ。いっそのこと、早くしたらどうかしら?アイツらもさずがに跡継ぎが出来たら手は出してこれないでしょう」
「い、いや…そういうのはですね…その」
「好きなんでしょ?なら、いいじゃない」
「す、好き、ですけど…その、だ、ダメですよ。ルーテルさんの事解決してないし…お、父さんのことだって…」
そんな余裕はまだないよ…。
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