二重人格神様~金と碧の王~
「そう。まぁ、前者の事は例外にしても、父親のことは問題のままだからね」
「そ、そうですよ!あの、あれから進展は…ない、ですよね?」
「そうね…。私達も全力で探してはいるんだけど」
顎を触り、少し真剣な表情で言う。
「不思議なのよねー。こうも見つからないなんて。まぁ、そのことは何かあったら言うから心配しないでちょうだい」
「そう、ですか…わかりました」
「えぇ。はい、じゃあそういう事で、これお願い」
私に押し付けるように本の束をわたすと満面の笑みを浮かべる。
「え…あの」
「海鈴様の部屋まで、よろしく!これ、鍵ね!」
本の上におき、その場所にしゃがみこむと彼は本を手にとり一ページ開く。
ま、まさか、また持っていけってこと!?
これで、荷物を運ばされるの何回目だろうか。海鈴さんの執務室遠いだもん。
けれども、問答無用な態度に断ることも出来なく仕方がなく私は部屋向かうため立ちあがる。
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