二重人格神様~金と碧の王~



「…はぁっ」


どのくらい、走っただろうか。とにかく、無我夢中で走りいい加減のころ、体力の限界を感じては壁に寄りかかりながら、乱れた息を整えていた。



「はぁっ…っ、」



いまだに熱い首筋をさわると、さっきの感覚が蘇る。いったい、彼は何がしたいのよ。


こんなに、しるし、つけて…。


首筋から胸元に広がる数個の赤い跡に私は嫌悪感を感じずにはいられない。いくら、同じ人物でも、海鈴さんにされたわけじゃない。


だから、こんなにも、嫌なんだ。


それに、どうして、いきなり出てくるわけ。普通にご飯を食べていた時は海鈴さんだったのに。



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