二重人格神様~金と碧の王~

「お、おはよう」

「おはようございます。朝食の準備が…」

「え?」


私の姿を見るなり、突然言葉をつぐむ。


「アレス…?」


「あ、いえ…申し訳ありません。海鈴様、帰ってきていたのですね」


「え?あ、うん」


手元にある海鈴さんの服に視線を落とし、苦笑いを零す。


「まったく。以前も帰って来たら顔を出すようにと注意をしたはずなんですけど、こりないんですから」



「それは、ごめんなさい…私にも責任が…」


「いえ、いいんです。でわ、海鈴様の分もご用意しておきますので、お二人でいらして下さい」


そう言うと、アレスは頭をさげ去って行く。それを見送り私は部屋のドアを閉める。



海鈴さん、昨日も言っていたけど本当に私を見つけて、そのままあんな事になったんだ…。そうだよね…あれから、私達、一回も部屋から出てない。



次は気をつけよう。アレスに迷惑かけちゃうから…



服をテーブルの上に置き、私はベッドに座り眠る彼の身体に触れる。


「海鈴さん?」


反応はない。


「あの、朝になりましたよ?」


少し揺さぶるもの無反応だ。


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