二重人格神様~金と碧の王~
「朝食の用意してくれたみたいなので、一緒に行きませんか?」
「……」
「…海鈴さん?」
あれ、海鈴さんってこんなに寝起き悪かったけ?
ベッドの上に上がり、そっと頬にかかった髪の毛を払うと僅かに瞼が動く。
「あ、起きてください、海鈴さーん?」
手を伸ばし、そのまま肩に手を置くと、伸びてきた手が私の手首を掴む。
「えっ、か、海鈴さん?」
顔を枕に埋め、「んー」と唸りながら身体を起こすと銀色の髪毛がサラッと揺れ、素肌の上半身におちる。髪の毛の隙間から僅かに見える唇が動きつぶやいた。
「まだ、ねむい」
「…あ」
朝だからなのか、声のトーンが少し低い。「まだ、眠い」って…海鈴さん、そんな事言うんだ。なんか、可愛いかも。
見慣れない姿に無意識に笑みがこぼれた。
「駄目ですよ。起きてください。一緒にご飯食べに行きましょう?」
そう掴まれた手と反対の手を伸ばし彼の髪を耳にかけると、目と目が合った。
。