二重人格神様~金と碧の王~
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「あの、そのように仏頂面ではせっかくのお食事も美味しくないの…では?」
「黙れ、アレス」
「…す、すみません…」
あぁ、わたしはこの状況をどうすればいいのだろう。
朝、部屋で私は甲高い悲鳴をあげた後、腕を振り払いそのままベッドの下に彼を突き落としてしまったのだ。
その理由は…今、私の隣に座っている彼、グレンさんだ。
目が合った時、その金色の瞳に驚いた。
海鈴さんだと思って話していた相手がグレンさんだとは思わなかったからだ。
しかも、昨日の名残で服は着ていない。
海鈴さんの身体だけれど、グレンさんだと思うと急に違うものに見えてしまい、恥ずかしく突き飛ばしてしまった。
そして、今の不機嫌な状態に至る。
「グレン様、子供ではないんですから…早くお召しになってください。今日はこの後、仕事がたまっているんです。それに片付けも出来ませんので」
。