二重人格神様~金と碧の王~



突然すぎて、どうすればいいか分からない。だから、黙ってグレンさんを見れば逸らした視線が私にむけられる。


「悪かったよ。態度が良くなった」


「あっ…い、いえ…」


「でも、今のお前を見て分かった。お前、俺の事…意識し過ぎだよ、ばーか」


「グレ…んっ」


顎を掴まれ強引に唇が触れた。触れるだけのキスなのに身体の芯から真っ赤に染まっていく。


「突き飛ばした事なんて、どうでもいい。目があった時に意識もしないで、拒否したことがムカつく。こっちは一瞬で…」


「…?」


「なんでもない」


肩を押され、そのまま壁に押し付けられてしまい逃げ場はない。私の顎を捕え上に持ち上げる。



「もう一回するか」


「…う」


「ねだって見ろよ。突き飛ばしたんだ。そのくらい御礼で出来るだろ」


な、なにを言っているの…


「さ、さっき、突き飛ばした事はどうでもいいって…」


「そんな事言ったか?」


ず、ずるい。なんて、ずるいんだ。





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