二重人格神様~金と碧の王~
「グレンさん」
手を伸ばし、私はその頭を抱え胸に抱きしめる。グレンさんの身体は少し震えた。
「お前…」
「グレンさんは、一人じゃないから…」
そういうと、グレンさんは目を見開き、何を察したのか、ふっと息をこぼす。
「海鈴のヤツ、余計な事を話したな。まじで、腹が立つ。俺はお前が大嫌いなのに…いつもそうだ」
「…ごめんなさい」
「お節介で、頭が悪い」
「……」
「……そんなんだから、俺がグレンだった…んだよな」
自嘲ぎみに笑い私の腕を軽く振り払う、そして置いたペンを持ちまた何かを書き始める。
その行動をだまったまま見ていれば、不意に手をとめ私を見つめた。
「…ん?」
「父親、どんなヤツだったんだ?確か、海鈴が探しているけど、見つからないんだったな」
「あ、はい。そうなんです。本当にどこに行ったのか…。お父さんはとても優しい人です。寂しい事は沢山あったけれど、一緒に遊んだり、泣いたり、笑って、怒って…いつも私の味方でした。大事な家族です」
「そうか…」
「グレンさんの…両親はどんな神様でした?」
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