二重人格神様~金と碧の王~

意味がわからない。そんな顔で眉間に皺を寄せる。


「思いだしてください」


「だから、分からないって…言っているだろ」


「だから…」


「だから、なんだよ」


「だ、だから!1人じゃないって…言ったじゃないですか」


「…え」


グレンさんの手を握り、両手でつつみ抱きしめる。


「私は、グレンさんの味方です…グレンさんは一人じゃない」


私の言葉にグレンさんは表情をひどく冷たくし、私を睨む。


「お前は、海鈴の味方だろ。海鈴の味方は俺の敵だ」


「そんな事ない。私では、ダメですか?」


グレンさんが動揺した。目線が泳ぎ戸惑っている。


「…そんな事を言うな。恥ずかしい女だな」


「だって…グレンさんの優しい所を知っているから…前の意地悪なグレンさんじゃない、そんなグレンさんがから、知りたいって思います。私も、味方に…なりたい」


「もう、いいから…」


「頼りないですか?私が人間で、無力だから…」


「そうじゃない」


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