二重人格神様~金と碧の王~
「なら…」
「理由がない。味方になる理由が。それに俺がまたお前を傷つけるかもしれない。それでも、味方だって言えるのか?」
どうして、グレンさんはそんな事を言うんだろう。
「グレンさんは、もう、そんなことはしない…そうおもう」
「はっ?なにを根拠に」
「直感です…」
「一番当てにならない。もう、いい。お前、部屋に戻れ」
私をおろし、そのまま部屋のドアを開ける。顎で「出て行け」そう言う仕草に唇を噛む。
グレンさんは何もわかってない。なにも…。
部屋を歩きドアの前で立ち止まるグレンさんに近寄り、その金色の瞳を見上げる。
「グレンさんは、逃げているだけです」
「…あ?」
「他人が怖いから、誰かが自分の中に入ってくることが怖いだけです」
「おまえ、それ以上言うな」
また、睨まれた。その眼はであったばかりの頃と同じように敵意を感じた。
でも、負けられない
「グレンさん、怖がらないでください。もっと前をみて、もっと周りを見てください。そして、私を信じて」
わたしも、あなたを信じるから。
そう願いを込めて見つめた視線をグレンさんはすぐに逸らした。
力強い腕で私の背中をおし、無理矢理外に突き飛ばす。
振り返るより早く背中越しにドアが閉まった音が聞こえ、その場で私の口からは吐息が漏れる。
「…なんで、こう…喧嘩ばかりしちゃうんだろう…」
私はグレンさんのこと知りたい。味方って言うのは真実なのに…
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