二重人格神様~金と碧の王~
「おい、でも俺は知っているぞ!最近は、ちょっと機嫌がいいんだよな」
「そうなん、ですか?」
「はい!そうですね!アレス隊長!」
「そうですね…柔らかくはなりました。いのり様と接するようになったからでしょう」
「やっぱり!さすが、いのり様だ!」
「そ、そんな事ないよ」
私はそのこと関してはよくわからないけど…確かに、普通に話すようになったもんね…でも、こうやって喧嘩しちゃっているけど…
「グレン様も色々あるかただから…いのり様のような花嫁様が来てくれて屋敷の者は大喜びですよ。ルーテル様達と違い、気軽に話してくれますし」
や、やめて、欲しい…
「あの、照れるからやめてください」
頬が赤くなり、私は両手で押さえる。
「本当なんですよ?それに、いのり様がお綺麗になったと我々の中では話題の中心ですから」
「そ、そうなの!?」
「そうですよ。私も美しくなったと思います。あ、元もいいですよ?もちろん」
「あ、アレス隊長!そんな事言っていいんですか?王の花嫁なんですから」
「お前らも言っているじゃないか」
「いや、アレス隊長が言うと、口説いているようで…」
「そんなばかな!」
ふ、ふふ。面白いやり取りに思わず笑みが零れた。
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