二重人格神様~金と碧の王~
彼がベッドに座れば、わたしはソファに座る。
そのソファーに座れば、私は彼から離れ窓際に移動するいたちごっこを続けていれば、苛立ったようにグレンさんが舌打ちをした。
さ、さけるなって言われても、あんなことを言われたあとだし...意識して平常心ではいられない。
なのに、グレンさんは平然とした顔でため息を深々とはき後頭部を触る。
「とりあえず、俺をさけるな。何もしないから、そこに座れ」
指をさされたのはベッドの上。
本当になにもしない?にわかに、そういうことに関しては信じられないけど。
恐る恐る近寄り、ある程度の距離をおき私は座った。
それに満足したように、柔らかい笑顔でグレンさんも座る。
向かいあうよに座り、少し緊張した。
視線は逸らしたまま。
合わせることなんか、出来ないよ。
色々なこと、思いだしちゃうから。
そう思っていると、グレンさんは手を伸ばし、私の手をとった。
.