二重人格神様~金と碧の王~


「迷惑、か?なんて、言わないよな。お前だって、俺に熱烈な告白したんだもんな」

「こ、告白?いや、あの、わたしは、そんなつもりで...」


「は?あれは、違うって?あんなの、誰が聞いたって...」


グレンさんは私の顔をみて、言葉をつぐんだ。

私の顔は、あつく、とても、赤い。その顔で言葉に出来ない思いに気付いたのだろう。


握った手をひき、そのまま私を抱きしめた。


「ちょ、なにもしないって...」

「無理。好きな女を目の前に、何もしない奴がいると思うか?」


「そ、そんなの、私は女の子だから...」


「ぶさけるな。触りたいと思うのは、みんなが同じだ」


うん...グレンさんの言うことは一理ある。だって、触れられて嬉しいと思ってる。

「グレンさん...」

「いのり、こっち、向けよ。触らせろ」


あ、また、名前を...

グレンさんをみあげ、目をつぶると、かれの唇が私の首筋を伝う。



< 319 / 513 >

この作品をシェア

pagetop