二重人格神様~金と碧の王~


でも…せっかく海鈴さんに会えるんだ。それは、それで嬉しいから…大丈夫。

「海鈴さん」

銀色の髪の毛を払い彼の身体に触れる。すると、「ん」と唸るような声をあげゴロンと寝返りを打つ。その仕草に触れた手を離すと、瞑られた瞼がゆっくりと動く。


「…あ」

その瞳は綺麗な青色。やっぱり、海鈴さんだ…。


「あはよう…ございます」


「…ん…い、のり?」


「はい」


私と同じように瞼をこすり横になったまま私を見上げる。目が合うとクスリと微笑みを浮べ私の頬に手を伸ばす。



「…おはよう」


「はい…数日ぶり、ですね」


頬に触れた手に手を重ねれば、不思議と温かい気持ちになる。


「あれ、そうだったかな?それより…いのり、なんだか…綺麗になったんじゃない?」


「え…き、気のせいですよ」


「そうかな?いや、絶対綺麗になったと思う。あ、いや…さらに綺麗になったって言おうかな」


も、もう…そういう事を言う。この甘い言葉には弱い。女の子なら、こんな甘いことを好きな人に言われたら嬉しいに決まっている。



照れて言葉が出ない私に、海鈴さんは続けた。


「照れているのかい?」


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