二重人格神様~金と碧の王~
どうしたら、元気になるんだろう…。
「…」
そ、そうだ!グレンさんの肩に手をおき、私は彼に近づく。その行動に目を軽く見開く海鈴さんを無視してその唇を奪った。触れるだけの簡単なキスに海鈴さんは物凄く驚いたようだ。
「積極的、だね…朝から」
「だ、だって…元気がないって言うから…」
「そうか…力をくれようとしたんだ。ありがとう。でも、どうしてかな…前と違って…力があふれてこない」
やっぱり、そう、なんだ…
「それ…グレンさんも言っていました。どうして、ですか?」
「うん…なんでだろう」
「わたし、何かしたのかな…」
もしかしたら、海鈴さんはわたしのせいで、力をコントロールできなくて、こんな事になっているのかもしれない。原因とか…わからないけど…
「なにもしてないから、そんな顔しなくていいよ。さて、起きようか…グレン仕事さぼっていただろうからやることが沢山だろうからね」
身体を起こす海鈴さん。その身体はやはりふらついていて、あわてて支える。
「あの、無理しないで休んでください。仕事なら、大丈夫です。グレンさん、意外にきちんとやっていましたから」
「はは、グレンがかい?きっと、いのりが傍にいたからだね」
「…えっ?」
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