二重人格神様~金と碧の王~


「そんな顔をしないの!花嫁なんだから、もっと笑顔でいなくちゃ駄目よ?目が覚めて、愛しい人がそんな顔をしていたら、悲しいじゃないの。あなたに出来る事は、信じて待つことのみ!」


そう、だよね…フェイランさんの言う通りだ。



あんな顔をした後だし、少しネガティブになっていたのかも。グレンさんとの事もあるし…


硬い表情を崩し、笑顔を作る。持っていたフォークで野菜をさし口に運ぶとフェイランさんは微笑みイスの背もたれに寄りかかった。


「そうそう。それでこそ海鈴様の花嫁だわ。ところで、最近色々あって保留になっていた事があるけど…覚えているかしら?」


「え?」


保留になっていたこと?なんの事だろう…?


「えっと…」


「いやだ。ルーテル様の処分についてよ。海鈴様があんな状態で、表はグレン様だったからほとんど話していないの」



そっか…そんな話していたっけ…。言われてみると、ルーテルさんの姿をあれから見てない。どうしているんだろう。

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